UBUDから待望の第三作目が届けられた。さっそく聴いてみると……いつにもまして、音の粒子がやわらかいような気がする。
オープニング曲のコンセプトコピーに目を走らせる。
「そうだ、“呼ばれる”ままに、力を抜こう」(Invitation)
なるほど。この世のどこかではなく、ひとり一人聴き手の心に存在する“楽園”
「UBUD tiga」からの招待状は、“あるがまま”というドレスコードを示してきたのだ。
「Potu」はアジアのお菓子の名前、そして「Salak」は南国の果物の名前……と、甘やかなタイトルも“楽園”のテーブルの華やかさ、豊かな色彩を思わせる。その美味しさも極彩色も、すべて“あるがまま”の自然の恵み。私たちは彼らを手に取った瞬間、「ささやかな甘味に諭されて、何かを心地よく融解されていく」(Potu)。
「レコーディング前に特にテーマをしぼっていたわけではないのですが、……仕上がってみたら、自分たちが普段考えていることが、素直にメッセージされていたことに気づいたんです。それは、『人に優しくありたい』という、ごくごくシンプルで当たり前の思いでした」そう語ってくれた吉田氏。
いつも心地好い意識の洗浄を授けてくれるUBUDは、今回、洗いあがりのココロに フワッと“優しさ”という香りをも漂わせてくれる。
上野まゆこ
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