初めて日本の地に降り立ってからはや20年。
ジャー・パンファンの音楽活動は、2008年、大きな節目を迎えた。
「日本での活動を通し、たくさんの音楽家の方たちに出会えたこと。それは私の大きな財産となっています。今回のアルバムでは多彩なゲストをお迎えし、“これから”というキーワードをテーマに感謝の思いをこめて創りました」。彼の言葉からは、20周年は決してゴールではなく、新たなスタート地点なのだという心意気が感じられる。
オープニング曲「黎明」を書き下ろしたのは、日本音楽界の重鎮、服部克久氏。
「服部先生がみずからハンドルを握り、入国管理局に連れてってくださったのが昨日のことのようでもあり、懐かしく思い出されます」。ジャー・パンファンが日本において音楽活動を続けられるよう、かつて芸術ビザの申請に奔走したという服部氏。その後、さまざまな音楽活動を通し彼をバックアップしてきた恩師ともいうべき氏は、本アルバムの序幕を飾るにふさわしい、壮大なスケール感の楽曲を提供してくれた。
上野まゆこ
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