中国琵琶の無限の可能性を感じさせるアルバムがリリースされました。
ファースト・アルバム『蘭』は全米でも発売され、可憐な中国琵琶奏者シャオロンは、各マスコミでとりあげられました。セカンド・アルバムで、彼女は城之内ミサが作曲したヨーロッパを彷佛させるメロディー「蘭 Orchid」から西アジア的なサウンド「デザート・フラワーズ Desert Flowers」までこなし、「天川 Milky Way」、「夢 Dreaming」では初めて自ら作詞した詩を歌っています。中国では日本のように琵琶を奏でながら歌うというスタイルはなく、初めての試みにとまどいながらレコーディングを始めたという彼女ですが、今ではこの2曲はお気に入りのナンバーとなっているそうです。ささやくような、かすかに聴こえてくる鈴の音のような彼女の歌声が、透明感ある中
国琵琶の音色と共に心地良く響きます。シャオ・ロンが得意な奏法は、まるで宝石箱から宝石がちらばるようにキラキラとした音色を奏でるトレモロ奏法。このキラキラとした中国琵琶の音色とバイオリン、ピアノなど西洋楽器との共演、せつないメロディーからアップテンポで軽快なナンバーまで、今迄の中国琵琶のイメージをくつがえす内容となっています。
中国琵琶は、4世紀のインドとイランから2種類の撥弦楽器が中国に伝わり、中国古来の撥弦楽器と結合したのが原形だと言われています。中国琵琶も日本琵琶も元々の起源は同じですが、中国琵琶は二千年の間に変化し続け、現在の代表的な楽器となりました。日本の琵琶はフレットが6本しかないのに対して、中国琵琶には31本。日本琵琶のようにバチは使わず、べっ甲製の爪を5本の指に取り付けて弾きます。日本の琵琶とは演奏方法や音色が全く違い、音域も広く、音色も豊かなため、中国琵琶は古今東西様々なスタイルの曲が演奏可能なのです。 アルバムを聴きながら、中国琵琶の魅力的な音色が誘う様々な夢の世界をお楽しみください。