落ち着いた古都の町並み。どの路地を曲がっても見受けられるのは、歴史を感じさせるたたずまいと寄り添う自然。優美な日本の古都を旅する十の景色をお送りします。
大通りをまがると現れる祇園は、日本髪にだらり帯姿の舞妓が往来し、踊りのけいこの三味線が聞こえてくる昔のままの風景です。
都の西の枯山水の石庭では壮大な宇宙を感じ、池の水面に映った月で十五夜の宴を開くなど、日本の伝統的なわび・さびの世界がそこかしこにあります。
ライトアップされた高台寺の庭園で、緑の竹林を見上げると箏の音が聞こえてくるようです。悠久の昔、秀吉の菩提をとむらう妻・ねねを癒したことでしょう。
平城京跡の広大な草原に復元された色鮮やかな朱雀門では、当時天皇が新年の祝いを述べたり、男女が集まって歌垣をしました。ここに立つと朱雀大路を行きかう人々のにぎわいと雅なひちりきや笛の音を感じるでしょう。
歴史を形成してきた日本の美しい財産「古都」に流れるさわやかな風のような10曲はきっとあなたの心にしみてゆきます。
野崎牧子
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