吉田潔のファ−ストアルバムとなるこの作品では、和太鼓がフィ−チャ−されています。太鼓は、洋の東西を問わず最も古くから存在した楽器の一つではないかと言われています。和太鼓も、古くから神事や戦の時などにはかかすことの出来ない道具として日本人にとって重要な役割を果たしてきました。従って、太鼓を打つという行為には強い精神性が伴います。又、演奏者も鍛え上げた肉体のすべてを使い、全身全霊を以て太鼓を打ちます。和太鼓は、その構造や演奏形態も含め最もアナログ的な楽器と言えるでしょう。
これまでコンピュ−タやシンセサイザ−といったデジタル・ツ−ルを使って音楽制作を行ってきた吉田潔が、最もアナログ的な和太鼓をフィ−チャ−して描きたかった世界は、「ワビ」「サビ」や「うねり」と言った日本文化が本来的に持っている「何か」、日本の心とも言うべき魂の響きなのではないのでしょうか。
もっと言えば、日本に対する愛着をグロ−バルな視点から表現したかったのではないでしょうか。
このアルバムでフィ−チャ−されている和太鼓グル−プ「和魂」は、日本各地はもとより、世界各国で演奏活動を行うと共に、行く先々でワ−クショップを開催し、人々と魂のふれあいを実践しています。今回吉田潔のイメ−ジと触れ合うことにより完成したこのアルバムは、皆さんの魂に響いたでしょうか。アルバム全体を流れる、エネルギッシュなグル−ブ感と、雄大なスケ−ルのサウンドをお楽しみください。